うちわ作りには、 大きく分けて骨と貼りの工程があ
    ります。 一つ一つの工程に、日本一の伝統を守る職
    人芸が光ります。 何ともいえない温もりは、気の遠く
    なるような手作業から生まれます。一本のうちわがで
    きるまで、 実に 四十七にものぼる工程があるといわ
    れますが、その一端を紹介します。


①木取り
 
 素材の竹を平均 40~50cm
に切断した管 (くだ) をうちわに
適 した一定の幅に割る。まっす
ぐ割れる竹の性質を利用した技
である さらに内側の節を削り取
る。 この作業から手に持った時
の心地よい感じが生まれる。
②割(わき)

  「切り込み機」で穂先より約
10cmのところまで切り込みを
入れる。 穂の数は35~45本
もあるが、同じ間隔でさいてい
く。 目にも止まらぬ早業で、熟
練した職人になると、1日500
~800本もこなしている。
④柄削り

 小刀で柄を削り、うちわの種
類 によって いろいろ加工を施
す。柄の部分の仕上げに当た
る工程である。
③穴あけ

 穴あけ用のきりを使って、 鎌
(弓竹) を通す穴を節の部分に
あける。ここに通す鎌は別の職
人の技で作られる。
⑤編み

 弓竹を通した穂を糸で編む作
業。 主に女性の仕事で 、昔は
子供も手伝っていたという。 慣
れた手付きで器用に編み、1日
に300~400本を編んでいる。
⑥付(つけ)

 編んだうちわ骨の弓竹に形を
つけ、 編みのいびつさを直しな
がら、 左右対称になるように糸
をとじつける。昔は「付師」ともい
われた年季のいる作業である。
⑧型切り

  うちわの種類に応じて、満月、
卵型などに穂を仕上げる。たたき
鎌を当て、木づちでたたくため「た
たき」とも呼ばれる作業である。
⑦貼立(はりたて)

 うちわ骨の穂の部分にのりを
つけ、地紙を貼りつける。
⑨へり取り

 うちわの周囲にへり紙と呼ばれ
る細長い紙を貼り、危なくないよう
に仕上げていく。この後、鎌の両
端に「みみ」を貼り、ローラーで圧
搾して筋を入れると、平柄 竹うち
わが出来上がります。


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